厚生労働省様式の履歴書とは|JIS規格との違いと使い方
2021年に厚生労働省が公表した「公正な採用選考」に基づく履歴書様式を解説。性別・配偶者・通勤時間欄がない理由、JIS規格との違い、どんな企業で使われるかをわかりやすくまとめます。
最終更新: 2025年11月20日 ・ リレキミー編集部
まずは結論から
厚生労働省様式の履歴書は、2021年4月に厚生労働省が「公正な採用選考」の理念に基づいて公表した、新しい標準の履歴書様式です。
JIS規格の履歴書と比べて大きく違うのは、性別・配偶者・扶養家族・通勤時間の各欄がないという点です。これらは採用の合否に関係のない個人情報として、最初から書かせない設計になっています。
どんな企業にも使えますが、企業から様式の指定があればそちらを優先するのが基本です。指定がない場合は厚生労働省様式を選んでおくのがいまの流れです。
なぜ厚生労働省様式が作られたの?
もともと「履歴書の標準様式」として広く使われていたのは JIS規格(日本産業規格) の様式でした。ところが 2020年12月、JIS規格の「事務所用紙」カテゴリ自体が廃止され、JIS規格の履歴書様式もなくなりました。
「標準がなくなった」となると、企業も求職者も困ります。そこで厚生労働省が 2021年4月、「公正な採用選考の理念に基づく望ましい履歴書様式の例」 として新しい様式を公表したのが始まりです。
公正な採用選考とは、応募者の 能力と意欲で採否を判断する という考え方です。本籍地・家族構成・思想・信条など、仕事の能力と関係のない情報を選考に使わないようにしよう、という理念が根底にあります。厚生労働省様式は、その理念をフォームの設計そのものに落とし込んでいます。
JIS規格との主な違い
厚生労働省様式と JIS規格の差分はおもに4つです。
| 項目 | JIS規格 | 厚生労働省様式 |
|---|---|---|
| 性別欄 | 男・女の選択式 | 任意(自由記述、空欄でもOK) |
| 通勤時間欄 | あり | なし |
| 配偶者欄 | あり | なし |
| 配偶者の扶養義務欄 | あり | なし |
| 扶養家族数欄 | あり | なし |
| 学歴・職歴 | 同じ | 同じ |
| 免許・資格 | 同じ | 同じ |
| 志望動機・自己PR | 同じ | 同じ |
| 本人希望欄 | 同じ | 同じ |
学歴・職歴・資格・志望動機といった「採用の判断に直接関係する欄」はまったく同じです。削られたのは、あくまで採用と関係が薄い個人情報だけです。
様式の比較についてくわしくは 履歴書テンプレートの種類と選び方 でも整理しています。
性別・配偶者・通勤時間が「なし」な理由
それぞれになぜ欄がないのか、背景を整理します。
性別欄が任意になった理由
性別は仕事の能力とは関係のない属性です。また、性自認と戸籍上の性別が一致しない方にとって、記入が負担になるケースもあります。LGBTQ+ への配慮という意味でも、「任意」にするのが望ましいという判断です。
書く場合は「男」「女」のような選択肢ではなく、自由記述で書けるようになっています。
配偶者・扶養家族欄がなくなった理由
配偶者の有無や扶養家族の数は、採用の判断には関係のない情報です。過去には「既婚者は転勤に対応しにくいのでは」といった偏見につながるリスクもありました。こうした不公平な扱いを防ぐために、欄ごと削除されています。
通勤時間欄がなくなった理由
通勤時間が長いことを理由に採用を見送ることは、合理的な判断根拠にはなりにくいです。また、居住地域による差別につながる可能性もあることから、欄がなくなっています。
どんな企業が厚生労働省様式を好むの?
強制力はありませんが、以下のような企業・業界で使われやすい傾向があります。
- コンプライアンス意識が高い大手企業: ダイバーシティへの取り組みを対外的に示している企業
- IT・スタートアップ: 古い慣習にこだわらず、シンプルな様式を好む傾向がある
- 外資系の一部: 海外基準に近い「能力で選ぶ」文化と親和性が高い
- HR・採用支援系: 公正採用を推進している企業自身が率先して採用する
一方、業界の慣習として JIS規格の書式を継続して使っているところも多いです。指定があればそちらを使うのが無難です。
求職者にとってのメリット
書く側から見ると、厚生労働省様式には3つのメリットがあります。
1. 性別を書かなくてよい 自分の性自認に合わせた選択ができます。あるいは、性別を開示したくない場合は空欄のままで出すことができます。
2. 配偶者・扶養を書かなくてよい プライベートな家族関係を採用担当者に伝える必要がありません。育児や介護の状況を選考で不利に扱われる心配もなくなります。
3. 通勤時間を書かなくてよい 遠方在住であることをあらかじめ開示せずに済みます。選考の機会をフェアに得られます。
厚生労働省様式を使うときの注意点
メリットが多い厚生労働省様式ですが、使う際に気をつけることがあります。
企業から様式の指定があれば、そちらを優先する
求人票や応募の説明文に「当社所定の履歴書をお使いください」「JIS規格様式で提出してください」などの指定がある場合は、その指示に従ってください。様式は選考の前提となることが多く、指定を無視すると「指示を読んでいない」と受け取られることがあります。
指定がない場合は、厚生労働省様式を使って問題ありません。
どこで手に入るの?
厚生労働省の公式サイトから Word・PDF 形式で無料ダウンロードできます。
リレキミーでも厚生労働省様式のテンプレートを選択して、そのままブラウザで入力・編集・PDF 出力できます。 印刷も郵送も、メールへの PDF 送付も、すべて無料です。 → 履歴書を作る
学歴の書き方(JIS 規格と同じ)
厚生労働省様式でも、学歴の書き方は JIS 規格と変わりません。
- 古い順(入学が早い順)に書く
- 中学校卒業から書き始めるのが一般的
- 学校名は正式名称で書く(「○○大学○○学部○○学科」まで)
- 入学・卒業の年月を記入する
年号は西暦か和暦で統一します。履歴書全体で混在させないのがポイントです。
詳しい書き方は 履歴書の書き方完全ガイド にまとめています。
職歴の書き方(JIS 規格と同じ)
職歴の書き方もまったく同じです。
- 古い順(入社が早い順)に書く
- 在職中の場合は最終行に「現在に至る」と書く
- 欄の一番下に「以上」と右寄せで書く
- 会社名は正式名称で(「株式会社」を「(株)」と略さない)
転職の場合、業務内容を具体的に書くと伝わりやすくなります。くわしくは 転職の履歴書の書き方 で解説しています。
自己PR・志望動機の書き方
自己 PR と志望動機の欄は JIS 規格と同じ構成です。書き方の基本も変わりません。
自己PRは、強みを1つに絞って、それを裏付けるエピソードを1つ書くのが王道です。長くなりすぎず、400字前後を目安にします。
志望動機は「なぜこの業界か」「なぜこの会社か」「自分が何を提供できるか」の3点を意識して書くと、説得力が出やすいです。
どちらも企業ごとに書き直すのが基本です。テンプレートの使い回しはすぐに気づかれます。
くわしい書き方と例文は 志望動機の書き方と例文 で紹介しています。
本人希望欄の使い方
本人希望欄は、給与・勤務地・勤務時間など、自分の希望を伝える欄です。
基本的には「貴社の規定に従います」と書けば問題ありません。ただし、以下のようにどうしても外せない条件がある場合は、正直に書いておくほうがお互いのためです。
- 転居を伴う転勤が難しい
- 週5日勤務は難しく、週4日以内を希望
- 給与の最低ラインがある
あれもこれも書きすぎると「わがままな人」に見えることがあるので、本当に大事な希望だけを1〜2点に絞ります。
どの様式を使うか迷ったら
整理すると、選び方の基準はシンプルです。
- 企業から指定がある → 指定の様式を使う
- 指定がない → 厚生労働省様式が無難
- どちらか迷う → 厚生労働省様式を選べば、いまの採用市場ではまず問題ない
JIS 規格の履歴書について詳しく知りたい場合は JIS規格の履歴書とは も読んでみてください。
まとめ
厚生労働省様式の履歴書は、2021年に JIS 規格が廃止されたあとの「新しい標準」として公表されました。性別・配偶者・通勤時間などの個人情報欄がないのが最大の特徴で、「公正な採用選考」の理念がフォームの設計に反映されています。
学歴・職歴・資格・志望動機の書き方は JIS 規格と変わりません。使い方を覚えてしまえば、どちらの様式でもスムーズに書けます。
企業の指定がなければ厚生労働省様式で提出して問題ありません。リレキミーなら、テンプレートを選んで入力するだけで、PDF がそのままメールで届きます。 → 履歴書を作る
よくある質問
Q. 厚生労働省様式の履歴書は、どの企業でも使えますか?
A. 基本的には使えますが、企業から「JIS規格の様式を使ってください」と指定された場合はそちらを優先してください。指定がなければ厚生労働省様式で問題ありません。
Q. 性別欄は必ず空欄にしないといけないの?
A. いいえ、書いても構いません。厚生労働省様式では性別欄が「任意」になっていて、書く場合は自由記述です。空欄にするかどうかは本人が判断します。
Q. 厚生労働省様式の履歴書はどこで手に入りますか?
A. 厚生労働省の公式サイトから無料でダウンロードできます。リレキミーでも厚生労働省様式のテンプレートを選んで、そのままブラウザで入力・PDF出力できます。
Q. 通勤時間や配偶者を書かなくていいのはなぜですか?
A. 採用選考で本人の能力や意欲と関係のない情報を収集することは、公正な採用選考の観点から望ましくないとされています。厚生労働省様式では、こうした情報を最初から書かせない設計になっています。
Q. 学歴・職歴の書き方はJIS規格と同じですか?
A. 基本的には同じです。古い順に書き、職歴の最終行に「現在に至る」、欄の一番下に「以上」と書きます。学校名や会社名は正式名称で記入します。
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履歴書を作る出典・参考
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